【鯉沼's Special・vol-3】(11月8日配信)


 こんにちは。
 鯉沼ミュージックの鯉沼利成です。
 
 来年の6月に、6カ国から個性的なピアノ・トリオを
中心に集めて開催するシナジー・コンサート2003。
イメージがどんどん膨らんできました。
 
 次に考えたのは、どんな会場にするかです。これはとて
 も大きな問題です。
 なぜならば、ぼくは、彼らの演奏をPAを使わないで、
 生音を聞かせるコンサートにしたいと思い始めたのです。
 と言いますのは、次々とヨーロッパのピアノ・トリオの
 CDを聞いているうちに、あることに気がついたからな
 んです。
 アメリカの場合は、往々にして、名前のある演奏家をま
 とめて録音しますが、ヨーロッパのグループは、永年同
 じメンバーとライブをやり、そのメンバーで録音をして
 いることが多いんです。
 つまり、独自のグループ・サウンドを練り上げる為には
 、不動のメンバーが必要だということです。
 
 また、ヨーロッパの演奏家は個性的な演奏をするととも
 に、基礎的なテクニックがしっかりしている人が多く、
 それは、楽器を充分にならすことが出来るということで
 す。
 
 その彼らが丹念につくり上げたサウンドを、2000人
 を収容する大ホールや、響きの少ないライブ・ハウスで
 聞くのは勿体ないことなんです。
 
 生の楽器の音そのものや、演奏の息遣い、美しい響きを
 楽しめるホールで、室内楽を聞くように楽しみたいので
 す。
 そこで、シナジー・ライブを、東京で最も美しい響きを
 持つ紀尾井ホールで開催することにしました。
 
 もっとも、今のベーシストは昔のポール・チェンバース
 時代の4ビートを刻むだけのベースとは違い、かなり細
 かい演奏をしますから、それを聞かせる為には、どうし
 てもアンプを使わなきゃならないし、オペラじゃないん
 だから、ボーカリストはマイクを使うことになりますが
 、ピアノやドラムには一切マイクを使いません。
 
 ぼくは、キース・ジャレットの弾くピアノの生音をステ
 ージの袖で150回以上聞いています。ですから、彼が
 本当にインパクトのある凄い音を出していることがよく
 わかるんです。
 あの素晴らしい音は、どんなオーディオ装置を使っても
 再現できません。
 そういう生の音の美しさやダイナミズムを、今回のイベ
 ントで多くの人に体験してもらいたいんです。
 
 ホールというのは楽器の重要な一部なんです。
 楽器も演奏家も一流だったとしても、ホールの響きが貧
 しければ、音楽の醍醐味は半減してしまいます。
 ぼくは、シナジー・コンサートを通じて、才能溢れる演
 奏家が一級のテクニックで演奏する音楽を、最上の響き
 を持つ会場で楽しめるようにしたいのです。
 
 今回招聘する6つのグループは、フランス、ポルトガル
 、スウェーデン、フィンランド、ベルギー、イタリア
 からやって来ます。
 その国から、どんな演奏家が来日するのか。
 それは来週の月曜日、11月11日配信の
 【鯉沼's Special・vol-4】でお知らせいたします。