【鯉沼's Special・vol-19】(03月03日発信)
	  

<ザ・シナジー・ライブ2003>

2003年が始まったと思っているうちに、
もう3月になってしまった。
すごいスピードで年月が飛び去っていく。

The Synergy Live2003が始まる6月17日も瞬く間にやってくる。
疾風怒濤の1週間になることでしょうね。
お目当てのアーティストは決まりましたでしょうか?

さて、本日のレコード会社からの最新情報は、
参加する唯一の日本人ピアニストの石井彰さん情報です。
イーストワークスエンタテイメントの高見さんからのメールです。
ウェブサイトには、4日からアップされます。


石井彰と日本

1963年 神奈川県生まれ。ある種の音楽におけるエキゾティシ
ズム、オリエンタリズムと言えるような状態を日本のジャズが克服
し、それはそれであらたな問題(ポピュリズム?)を抱え始めた
頃、石井彰たちの世代は育った。聴いたこともないような音に到達
できる肉体、起こりうるすべての可能性をキャツチする醒めた意
識、直観的な能力への幻想が造り上げたユートピア“ジャズラン
ド”への獰猛な欲望は石井たちの世代にとって、すでに夢のような
もの、あるいは意識の日が届くことのない深い場所に封印された衝
動のようなもの取って代わってしまっていた。
武満徹、メシアン、マイルス・デイビス、キース・ジャレット、イ
ヴァン・リンス、EWF、すべてが同時に彼の無意識にコラージュ
され、今日の彼の音楽は準備された。あらゆることが許された世代
のようにも言われ、すべてが手を付けられてしまった世代、という
風にも語られた。マニュアル化されたジャズの時代とも言われた。
すでに石井たちの前でジャズは何度も死を告げられていた。

「ジャズピアニストにとって、いまの、新しい音楽とは?」という
質問は石井にとっておそらく過酷であり不愉快なものに違いない。
というのも彼はピアニストにとってのジャズを考え、音楽家として
のジャズを構想しているのだからだ。もちろん彼がジャズを演奏す
る喜び、ジャズにたどり着く気持ちよさを、ピアノを弾く手触りの
中に求めてしまうピアニストであるに違いない。しかし、スティー
ブ・スワロー、イヴァン・リンスが、特別に石井の手に触れた彼ら
の音を喜び愛しているのは、そんな石井の指の動きにジャズを聴く
からではない。
さまざまな音楽を同時に受け入れてしまった世代特有の、ピュアで
無垢な手つきが手繰り寄せる曲そのものといえるような、新しい響
き、が聴こえてくるからだという。
今日、すでに四枚のアルバムをリリースした石井の手が手繰りよせ
るのは、彼自身の音楽の新しい姿、響き、古びた音楽の懐かしい響
き、新しい響き。
手繰り寄せる、そんな手つきこそがジャズ、というなら石井のピア
ノはきっとジャズなのだろう。
ewe(イーストワークス エンターティンメント) 高見一樹

多くのベテラン・ミュージシャンたちから共演の申し込みが殺到し
ている石井彰が、テナーサックスの川嶋哲郎とのデュエット、そし
てソロに挑戦するのは、とっても楽しみです。


みなさまからのご質問、ご意見、ご感想など、お待ちしております
ので、どんどんお寄せ下さい。
宛先はここです。
magazine@koinumamusic.com
では、次号もまたお会いしましょう。
The Synergy Live2003のご案内はタクオでした。

<ビル・フリゼール>
ビル・フリゼール“ジ・インターコンチネンタルズ”の仲間紹介
――今回はギリシャはマケドニア出身のクリストス・ゴヴェタスの巻。
 アルバム『ジ・インターコンチネンタルズ』の3曲目にある<
For Christos>は、ビル・フリゼールがゴヴェタスに捧げたと思わ
れる曲です。このグループでは主にウードを演奏 (1曲ブズーキも
演奏)、数曲でヴォイスを聴かせる彼ですが、トラディショナル<
The Young Monk>はゴヴェタスのウードとフリゼールのナイロ
ン弦ギターとのデュオで、ゴヴェタス作<Yala>はゴヴェタス
(oud) とフリゼール(el. guitar)とシディキ・カマラ(percussion)の
トリオ演奏。そして、ヴィニシウス・カントゥアリアがメイン・
ヴォーカルをとるジルベルト・ジル作<Procissao (巡礼)>やフリ
ゼール作<We Are Everywhere>では、彼の中東を匂わせるヴォ
イスが楽曲の展開〜広がりに大貢献。それら4曲はアルバム中盤に
並んでいて (順不同)、ゴヴェタスの活躍が集中して聴けるかたちに
なっています。
 ウードやブズーキ等の民族楽器とヴォイスを奏でるゴヴェタスは
クラリネット奏者でもあります。フリゼールが最初に手にし、ギ
ターに専念するまでずっと演奏していたのもクラリネットだったわ
けで、その辺りにも二人を結びつけるものがあるのかもしれませ
ん。ジ・インターコンチネンタルズでは演奏していませんが、シア
トルを拠点にレギュラー活動している二つのグループ“Pangeo”
と“Ziyia”では、クラリネットも演奏しているゴヴェタス。両グ
ループのサイト (www.ziyia.com と www.pange omusic.com) で
はそれぞれのグループの音(Pangeoは1枚、Ziyiaは2枚のCDを
リリースしている) を聴くこともできますから、彼の音楽性に興味
を持たれた方はアクセスしてみてはどうでしょう。
 そうそう、ハイナー・ゲッベルス (Heiner Goebbels) の93年
ECM作品『SHADOW/Lan dscape with Argonauts with words
by Edgar Allan Poe and Heiner Muller』にもゴヴェタスは参加
しています。ですからジャズ〜ECMファンで、すでに彼の演奏に
接していたという方も少なくないのかもしれません。

次号の配信は3月10日を予定しています。